『ノーベル文学賞にもっとも近い作家たち』

『ノーベル文学賞にもっとも近い作家たち  いま読みたい38人の素顔と作品』




タイトルを見るとお手軽なやっつけ本のように思えてしまうかもしれないが、文学好きには便利な現代文学ガイド本になっている。
もちろんこの手の本で完璧というのはありえないので(完璧を期していたら永遠に出せなくなってしまう)、ノーベル賞縛りなために刊行時に存命中の作家しか取り上げられていないし、また一番の若手が1968年生まれのジュノ・ディアスであるように、数十年後の候補を予言するという野心的なものというよりはベテラン中心となっている。また本書刊行後の最初のノーベル文学賞受賞者のモディアノが含まれていないように(それだけ意外な受賞でもあったということだが)網羅的と言い切ることもできないが、このあたりはガイド本の宿命でやむを得ないことだろう。


多少なりとも文学に興味のある人なら誰でも知っている、まだ取っていないのが不思議な超大物から(クンデラなんてとっくにもらっているのかと思っていた)、不勉強ながら僕は本書で初めて名前を知った比較的無名の作家まで多士済々の顔ぶれは以下の通り。

村上春樹/アシア・ジェバール/スヴェトラーナ・アレクシエヴィチ/ジョイス・キャロル・オーツ/ミラン・クンデラ/トマス・ピンチョン/ウンベルト・エーコ /ダーチャ・マライーニ/グギ・ワ・ジオンゴ/ナーダシュ・ペーテル/アドニス/ミルチェア・カルタレスク/高銀/ヨン・フォッセ /ヌルディン・ファラー/サルマン・ラシュディ/ドン・デリーロ/フィリップ・ロス/コーマック・マッカーシー/ボブ・ディラン/ウィリアム・トレヴァー/マーガレット・アトウッド/セース・ノーテボーム/アモス・オズ/ハビエル・マリアス/ペーター・ハントケ/レス・マレー/アリエル・ドルフマン/ジョン・アッシュベリー/カズオ・イシグロ/ジュノ・ディアス/ジョン・バンヴィル/コルム・トビーン/ウラジーミル・ソローキン/パスカル・キニャール/イスマイル・カダレ/ポール・オースター/トム・ストッパード

それぞれ「作品数」「作品の長さ」「作風」「登場人物」「作品の雰囲気」がグラフ化されていて、また「この作家が好きな人は、他にこんな本を読んでいます」として似たテイストの作品が紹介されていて、未読の作家でも雰囲気がつかめ、好みの作品にたどりつきやすくなっている。


1996年刊行の『世界×現在×文学―作家ファイル』や2003年刊行の『サロン・ドット・コム 現代英語作家ガイド』ではたくさんの作家を教えてもらったが、このようなガイドブックは10年に一度と言わずに、視点を微妙に変えながら5年ごとぐらいに刊行してくれるとありがたいなあ。


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Author:佐藤太郎(仮)
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