21世紀の資本を求めて

EconomistにA second bite of the madeleineという書評が載っていた。プルーストの『失われた時を求めて』の「スワン家のほうへ」がフランスでグラフィックノベル化され、その英訳が出たのだそうだ。あの長さを考えると読もうという気が起こらないという人が多いのはどこの国でも共通の反応であろうが、一方で『失われた時を求めて』はストーリーがどうこうという本ではないので、あんちょことしてマンガであらすじを把握したとしても意味はない。ということは、このグラフィックノベルの価値は、グラフィックノベルとして独自の表現を成し遂げているかにかかっているのだろう。書評を読む限りではそれなりに野心的なようだが、フランスでは評価は割れたようだ。書評氏は肯定的なようでもあるが、訳文が簡潔平易になっていて「子どもでも読めるだろう」というのは褒め言葉ではないような気も……。

ところでこの英訳者はArthur Goldhammerなる人物で、なんとピケティの『21世紀の資本』も訳している。確かに『21世紀』の資本は人文学的素養も必要とされるだろうが、当然ながら経済学の知識も求められる。一体何者なのかとウィキペディアを見てみたら、MITで数学を専攻して1973年にPhDを取って、77年から翻訳家となって現在ハーヴァード大学に所属とのこと。訳書のリストを見ると人文学やら社会科学やら、脈略があるようなないような膨大な量の翻訳を行っているようで、ちょっと『21世紀の資本』の邦訳者っぽいのかもしれない。








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