DVDのかんそー

まだまだ消化しきれないDVDのかんそー

『ヒーローショー』




ネットでの隠語でいうところのDQN同士による暴力のインフレーション。
前半はいや~なすばらしさとでも言おうか、とにかく引き込まれた。しかし全編にわたって凄惨な感じを期待すると後半は完全にダレてしまって非常に残念。
逆に文句の無い傑作ではないところにかえって魅力を感じる人もいるのかなぁとも。

この映画をどう感じたかは、ここに出てくるような人物になってしまうかも、あるいはこのような出来事にまきこまれるかもというところにリアリティを持てるか、あるいはDQNってほんとや~ね、としか思えないかによってかなり違ってくるのだろう。
僕としてはやっぱり惜しいなぁというところでして。中途半端になってしまっているという感は否めず。

あと漫才師のほうユウキが山梨出身ってのはなんなんでしょうか。意味がないわけではないけど必然でもなく。口調が明らかに関西弁なだけに。舞台を関西にしてしまうとモデルにした事件が連想されてしまうとかいうことなのかいな。



『グリーン・ゾーン』




ポール・グリーングラス監督に主演マット・デイモンという「ボーン・シリーズ」のコンビによるイラクを舞台にしたアクション・ミステリー。
米政府高官の得た「マゼラン」という確かとされる情報源に従ってミラー(デイモン)はイラク戦争終結間際のイラクにて大量破壊兵器の捜索を行うが空振り続きに終わる。この状況をいぶかしんだミラーは……

ってな感じでアクション映画としては普通に面白い。
ただこの作品前評判からするとアメリカでも日本でも地味に終わってしまったがそれもよくわかる。
まずアメリカ人からすると見たくない現実(イラク戦争はインチキであった)が見せられるし、アメリカ人以外からしてみると、んなこと最初っからわかってらいって感じで。ミラーがおめでたい間抜けにも見えてしまう。CIAを「いいもの」として描くのもう~むというところで。
映画としてはまあまあ面白かったのですがね。

「情報源」がどんなものかはこの本でも。





『ハングオーバー』




結婚式を直前に控えた花婿が友人とハメを外したバカ騒ぎをするバチェラーパーティー。ラスベガスに向かった四人だが、ホテルで目が覚めるとひどい二日酔い。記憶はなく花婿の姿と歯がなくなり、赤ん坊と虎が部屋に残されていた……

海外と日本映画の状況を比較するというのはあまり生産的なことではないだろう。ただこうして「まっとうなコメディ」映画を見せられるとやはり日本との差というのは痛感せずにおれず。
この作品は映画史に残るようなものではないし、何十年も語り継がれるものでもないだろう。もちろんアメリカで大ヒットしたのはその出来のよさによるのだが、同時にとりわけ特別な作品というのでもない。誤解のないようにいうけど別にけなしてるのではない。製作者の意図通りに楽しい映画なのである。
日本でリメイクなんておしょろしいことをやる人が現れるかもしれないが、日本映画の現状ではまずまっとうなコメディが撮られることはないだろう。

DVDで見た人間がいうのもなんだけど、もともとこの映画はビデオスルーになるはずだった。結果的には劇場公開されたんだけど、こういう普通に面白い映画が劇場にかけられなかったかもということも日本映画を取り囲む環境を象徴してるような。『キック・アス』なんかにしてもやればヒットするんだからここらへんもなんとかしないとね。そういえば『ホット・ファズ』のエドガー・ライトの『スコット・ピルグリム対世界』はどうなるのやら……








『プレシャス』





貧困、虐待など重い題材に正面から挑んだ作品。
あまりに過酷な現実とそこから逃避しようとしての妄想という所では『ダンサー・イン・ザ・ダーク』なんかが連想されるわけですが、中の人がミュージカル・シーンで壮麗に歌い上げるビョークなどではなくあの外見であり、モデルになったりスターになったりとある意味陳腐な世界にしか逃げることのできないプレシャスというのがいっそう哀れさを誘う。
ストーリー的にも演出的にも一筋縄ではいかないというか安直なお涙頂戴モノではないひっかかりがあるところもよかった。

ただ、これは神経質すぎるといえばそうなんだけどちょっと気になるとこも。
プレシャスの置かれた環境なんだけどあまりにステレオ・タイプというか。福祉依存の母親はそのまんま「福祉の女王」でって感じで。お腹をすかせたプレシャスが食い逃げというか持ち逃げするのはフライド・チキンというのもあまりに直球すぎる(アメリカの黒人はチキンが大好きということになっているし実際そうらしいけど)。
いってみれば都市部の駄目な黒人としてイメージされる典型的な姿なのですよね。それに赤ん坊を連れて逃げるとこでは近所の女の子を突き飛ばすんだけど、これはプレシャスが置かれている環境から完全に逃げ出すことの象徴でもあるんだろうけど、このコミュニティというものの全否定という感じで。もちろんあんなとこはろくでもないんだ、といえばそうなんだけどさ。

それにプレシャスの肌はかなり黒いのだけれど、彼女を導いたり力になってくれる「黒人」は肌が白い(マライヤ・キャリーやレニー・クラヴィッツが「黒人」なのかはとりあえず置いて)。
意地の悪い見方をすると、プレシャスは「代替学校」で読み書きを教わって世界を広げていくのだがこれは黒人コミュニティから離脱し白人の世界に適応していく様ともとれなくもない。

もちろんこれは極端な見方であって、実際には監督始め主要なスタッフは黒人であり、彼らが差別的であったり白人に迎合する「アンクル・トム」だというのではないだろう。むしろこれは「進歩的リベラル」として負の連鎖を断ち切るというところに焦点をあてていると考えたほうがいいのだろう。1987年にあって男が看護師をしているところやレイン先生が母親とうまくいってなくてレズビアン(?)であることなどからもそこらへんもわかる。マクドナルドへの批判やナース・ジョンがオーガニックのフルーツを食べるとこなんかもいかにもだし。
別にPC的に清く正しくなきゃ駄目ってことではなくあくまで野暮な指摘でありますが。










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佐藤太郎(仮)

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