『パーフェクトブルー』

『パーフェクトブルー』

故今敏監督の1998年公開作品。ようやく見ました。






田舎から歌手を目指して上京し、アイドルグループの一員として活動していた未麻(みま)は事務所の方針で女優へ転身する。意に沿わないことながらも何とかこなそうとするが、サイコスリラードラマに出演するうちに次第に精神の均衡を崩していく……

ダーレン・アロノフスキー監督の『ブラック・スワン』の元ネタとしてもいろいろと話題の本作。確かに生身の自分と役とが、現実と妄想とが混濁していくなど設定上似ている部分もあるが、構成としては差異も目につく。
『ブラック・スワン』は基本的にはニナ(おい、名前!)の一人称的構成であり、あくまで単線的であったが、『パーフェクトブルー』はこれが多層的になっている。

現実と虚構との狭間といえばまさに芸能界がそうであり、未麻はその中で翻弄されていく。
その芸能界でもアイドルというジャンルはさらに虚構性が高いが、その現実を受け入れられないファンの狂信。
一方でシニカルにその虚構性込みでアイドルを見るおたくの視線も挟まれる。
さらにある人物の……

と、これらが絡み合っている。特典の今監督のインタビューでも当時メタフィクション的なものに関心があったとしているが、そこらへんも反映しているのだろう。そう考えるとここらへんの多層構造は同じく今監督から影響を受けているノーランの『インセプション』的であるともいえるかもしれない(これは誰の夢なのか?)。

アロノフスキーはプロット展開もさることながらやはりその絵作りに非常に影響され……というかもろいただいちゃっているのですよね。
『レクイエム・フォー・ドリーム』でも風呂のシーンを引用(というか何というか)していたが、『ブラック・スワン』でも本作から「まんまやんけ!」のシーンがいくつか。
もちろん極端にいえばあらゆる映像が「引用」以外であることは有り得ないのですが、とはいえ2、30年前の作品ならともかくたかだか10年ほど前の作品からこうもあからさまだとちょっとう~むという気持ちになるのも確かで。

ただまぁ仮に『パーフェクトブルー』を日本で実写化していたらどうなっていたか……なんてことを想像するとあそこまでやってくれるアロノフスキーやノーランというのはやっぱすごいんだな、とも思うのですがね。アメリカじゃこういうのを素直にあっけらかんと認めるのってタランティーノくらいなものなのかな、ようわからんが。

『ブラック・スワン』見てすごかったって人もそうとも思わなかった人もやっぱり『パーフェクトブルー』は押さえておかないと!(って今ごろ見てるお前が偉そうに言うなっつーの)。

今監督のインタビュー



これ見るとねぇw








プロフィール

佐藤太郎(仮)

Author:佐藤太郎(仮)
shopliftersunionあっとhotmail.co.jp

最新記事
月別アーカイブ
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
カテゴリ
twitter
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR