『ザ・タウン』

『ザ・タウン』

ベン・アフレック監督、主演、共同脚本の作品。
なかなか評判が良かったので見てみたのだが、なるほど確かに面白かった。



すさんだ街。行方不明の母親に服役中の父親。そして幼いころからの仲間は荒れはてている。ここから抜け出したいと思ったところでしがらみが強すぎる。ある女との出会いによって何かが変わろうとしていくが、そうは簡単にいくものではなく……

このように設定にしても人物造形にしても斬新ということはない。演出も奇をてらったものでもない。ではそうした作品が退屈なのかといえば必ずしもそうではない。
一番関心したのは「手を抜いていない」ところかな。物語としては「定型」的なだけに楽をしようと思えばできたのだろうが、脚本でも演出でも雑に流れたところがほとんどなかったように思える。好きな人も多いであろう『グッド・ウィル・ハンティング』が個人的にはピンとこなかったせいもあって、正直ベン・アフレックという人にはあまり興味がなかったのだけれど、この作品でなかなか好感をもってしまった。

もちろんこの作品もそれなりに金はかけられているのだが、そういったこととは別に、きちんとなすべきことをなしていればいい映画というのは撮れるのだよなぁというふうに思えた。逆にいうとやるべきことをきちんとやらずにあまりにテキトーに撮ってしまう作品が、金がかけられているかいないかに関わらず多いってことなんだけど。

頭をガツンと殴られたような衝撃というほどではないのだが、なんだかんだ言いつつもアメリカ映画の強みというのは、それなりの規模でこういう佳作を送り出せるところにあるのだなぁということを実感させてくれる。
これを見た直後に宇多丸さんの「シネマ・ハスラー」の『セカンドヴァージン』評を聞いたのだが、爆笑しつつも頭がイタくなってくるような。まぁ比べるほうがおかしいといえばそうなのですがね。最低限の努力はしましょうよ、ということですな。

そういえば例の暴力団排除条例絡みで花屋なんかも結構暴力団系のことがあるなんてことを言ってた人がいたけど、この作品見たあとだと花屋さんを見る目が変わっちゃったりして。

とにかく見て損はない一本でありました。



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佐藤太郎(仮)

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