『つぐない』

『つぐない』

マキューアンの『贖罪』をようやく読んだのでその映画化のこちらも。




『贖罪』は第一部が白眉であったのだが、技巧的にかなりこっているために映像化はなかなか難しいようにも感じた。こういう場合原作に寄り添うか思い切って換骨奪胎するかの決断が求められるのだが、『つぐない』ではかなり原作に忠実に作ってあった。複数の視点や角度を変えての語り直しなどもそのまま用いられている。さすがに濃密な心理戦の再現とまではいかないがまずまず良かったのではないかとも思えた。

一方で割りと再現しやすいかに思えた第二部は時間の関係かかなり省略され、独自の演出が試みられるが、原作を読んでない人には唐突かつ意味不明のところなども残ってしまっているような気もする。ここらへんは小説の映像化の難しさというのが出てしまったかなぁとも。このあたりはもうちょっと原作に寄り添ってもいいのではという感じもした。

そして第三部のアレだが、悪くはなかったが予想を越えるものではなかったというか。やっぱりこういう感じなのねぇってところか。まぁ他にどうしろといわれても思いつかないし。映像作品であの効果を有効に使うというのも難しいだろうし。

……と、原作との関係ばかりに目がいってしまったが、出来が良すぎる原作を持つ映画というのも辛いものよのうというところもあったのだが、手堅くまとめたという感じで、まずまずの出来だったのではないでしょうか。




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佐藤太郎(仮)

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