『かいじゅたちのいるところ』

スパイク・ジョーンズ監督『かいじゅたちのいるところ』




父親不在の家庭で、マックスは母からも姉からも
疎まれているように感じていた。
母の「友達」が家に来た夜、ついにマックスは
怒りを爆発させ母に噛み付きそのまま家を駆け出る。
そしてマックスが辿り着いたのは……

この映画について語ろうとするとどうしても
精神分析的な見方に誘惑される。

冒頭マックスは「イグルー(かまくらのようなもの)」を作る。
結局イグルーは姉の友人に破壊されてしまう
(彼らには悪意があったのではなく、遊んであげたつもりだった)。
マックスは怒りにかれて姉の部屋をめちゃくちゃにする。

もちろんこれは胎内回帰願望と、
それが叶わない(「大人」にならなくてはならない)ことの
メタファーと考えることができる。
父親不在というのもいかにもな設定となっている。

その後いろいろあってマックスは「かいじゅう」の
KWに飲み込まれる(隠れるのだが)、そして再び
表に出てきた時には……
そう、二度目の誕生であり「大人」への
イニシエーションを経験したことのメタファーである。

この映画の魅力とはこのような
猪口才な解釈などを超えたところにある。

「かいじゅう」とは何か。
謎の島に住むクリーチャーばかりのことではない。
それはマックスのことでもある。
「子ども」というと「イノセンス」や「ピュア」として
語られがちだ。
しかし現実の子どもは自己中心的で虚言癖のある
暴力的存在でもある。
マックスこそまさに子どもであり
大人の価値観から外れた「かいじゅう」でもある。

スパイク・ジョーンズはこの「子ども」という存在に
教えをたれるのでもなければ媚を売るのでもない。
彼自身が子どもに寄り添うことによって、
元子どもである僕たちにあの時代の切実さと不可解さを
蘇らせてくれる。

YYY’sのカレン・Oのサントラもお勧め。
しかしスパイク・ジョーンズよ、菊池凛子なのか……
まぁいいけどさ。

予告編








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佐藤太郎(仮)

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