「正義」とリアリズムその3

僕は自民党の行ってきた外交政策を支持する者ではないが、
少なくとも政府、党の有力者の多くが最低限の「知恵」は
身に着けていたようにも思えてしまうほど現在の民主党の議員の
ナイーヴっぷりはひどいものがある。

では現在の自民党がまともなのかと言えばそんなことはもちろんない。
先に言った「知恵」というものはおそらくは90年代後半あたりで
ほとんど消えてしまっている。
小泉政権下での尖閣諸島での対応というのは残り香というあたりだろう。

清和会支配が確立して以降、外務省では
あまりにアメリカ一辺倒になり
(その割りにアメリカの「知日派」は減り続け「対日利権屋」ばかり
のさばっているような気がするが)、
その結果情報収集、分析能力の低下が進み、
様々な国とのチャンネルも細り続けているということも今回の一件を
さらにややこしくした要因であろう。

中国が好きか嫌いか、中国の言うことに理があるか否かということは
おいといて、この国となんとか付き合っていかなくてはならないはずだ。

もちろん外交とご近所関係はイコールではないが、
こういうふうに考えてみてはどうだろう。
30年ローンで家を購入したが隣がひどい人間なので
一切無視することに決めた、というのは賢い態度ではない。
表面上だけでも穏やかにして、なだめたりすかしたりして
やりすごさなければならない。
もちろん近所とは信頼関係を築き、お隣が妙な行動に出た時には
味方になってくれるよう先手を打っておかなければならない。
なによりも正面衝突を回避することが一番であり、
そのためにお隣の趣味嗜好、生活様式なども知っておくに
こしたことはないはずだ。
これは正しいか間違っているかの問題ではない。


「正義」は心地よい。そしてリアリズムはしばし苦く、
時にはリアリズムの名のもとにとんでもない失敗が
繰り広げられることもある(例えば「ミュンヘン会談})。

もちろんひたすらの現状肯定や事なかれ主義の「リアリズム」には
厳しい目を向けなければならない。
しかし「知恵」の存在を無視して心地よい言葉に酔うことが
どれほど危険なことかを、我々は今一度噛み締めなければ
ならないのだろうか。

プロフィール

佐藤太郎(仮)

Author:佐藤太郎(仮)
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