ホブズボーム自伝


大分前に読んだもので記憶が心もたないが、ホブズボームが亡くなったと聞き簡単に。

エリック・ホブズボーム著『わが20世紀・面白い時代』





『創られた伝統』や「長い19世紀」「短い20世紀」などで名高い歴史家ホブズボームの自伝。
ホブズボームがこんな過酷にして「面白い」(原題の「面白い」はinteresting)人生だったとは。

イギリス人の父(こちらもユダヤ人)とユダヤ人の母のもと1917年にエジプトで生まれ、すぐにオーストリアへ移りそこで育つ。家庭環境も結構変わっていたのだけれど(父親は何で生計をたてていたのか不明等)大きな影響を与えたであろうことがナチスへと向かっていく時代にドイツ語圏で成長したことだろう。

早くに父親を、後を追うようにして母親を亡くし、ドイツで教育を受けることになり、ヒトラー政権誕生の時をドイツで迎えることになる。その後ドイツから父の祖国イギリスへ行き……

と、ここらへんまではあたかも大河小説がごとく非常に面白いのだけれど、第二次大戦後というのはこの「面白さ」という点ではいささか精彩を欠くかもしれない。
本書はイギリス的ユーモアもところどころ顔を出すが基本的には抑制的で、伝記に暴露的なものを期待するむきなどには(特に後半は)少々退屈と映ってしまうかもしれない。

ホブズボームは1932年にコミュニストとなり、イギリス共産党には1936年に入党、そして解党するまで党員であった。「転向」することなく、また開き直りの自己弁護や過剰な自己批判に流れることがなかったのには好感が持てた。
もっともケンブリッジにおけるスパイ事件などはどこまで本当のことを書いてるのか僕には判断がつかないところでもありますが。

高名な歴史学者の自伝というとお堅いものを想像されるかもしれないが、特に前半は歴史好きならずともかなり興味深く読めると思います。


ホブズボームの著作はやはりまだまだ読まれるべきものであると思うし、僕自身もまだ未読のものもあるので、これを機にというのもなんだが 取りかかってみようかな。



プロフィール

佐藤太郎(仮)

Author:佐藤太郎(仮)
shopliftersunionあっとhotmail.co.jp

最新記事
月別アーカイブ
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
カテゴリ
twitter
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR