『カウガール・ブルース』

『カウガール・ブルース』

そういえば見てなかったなあということで、ガス・ヴァン・サント監督の1994年公開の作品。



トム・ロビンズ(映画ではナレーションを努めている)の原作はピンチョンが絶賛したことでも知られている。ずっと昔に読んだもので内容はほとんど忘れてしまっているのだが、正直あまりピンとはこなかった記憶がある。
巨大な親指を持ってしまった女の子は社会から排除されてしまいがちな「異質」な存在の象徴でもあろうし、フェミニズム的闘士といってもいいであろうカウガールたち。そういった社会の多数派から疎まれるような存在への共感といった題材は確かにいかにもピンチョンが気に入りそうなものではある。そして原作が発表された76年はすでに時代は保守化が始まり、ヒッピー的理想主義からは遠く離れようとしているのだが、そこでのあえて反時代的な振る舞いといったあたりもピンチョン好みだろうけど。

では映画はどうだったのかといえば、こちらも正直厳しかったかも。特に「異形」の人たるシシーの葛藤という、本来はメイン・プロットであるはずのものが後景に退いているようにも思えてしまうのはどうなのかな、という感じがする。
まあシシーを演じるユマ・サーマンのヒッチハイク姿が割とかわいかったので許してもいいかなという気もしてしまう。

『カウガール・ブルース』のアメリカでの公開は94年。この年のユマ・サーマンといえばなんといっても『パルプ・フィクション』ということになるだろう。さらに94年の大ヒットといえば『スピード』だが、『カウガール・ブルース』にはキアヌ・リーブスも出ている。あんな髪型してたので最初気づかなかったよ。

さらに『カウガール・ブルース』にはショーン・ヤングも出ているのだけれど、このころのショーン・ヤングって世間的にはどういう扱いだったのだろう。キャットウーマン事件のすぐ後あたりか。
このあたりの微妙に昔の映画を見ると人生の機微というものに思いをはせてしまいたくなることもある。

この作品はリヴァー・フェニックスに捧げられている。ジェリービーン役を演じるはリヴァーの妹のレイン・フェニックス。そしてガス・ヴァン・サントは次作の『誘う女』でホアキン・フェニックスを起用している。そんな時代の映画でした。


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佐藤太郎(仮)

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