怪しいと思いだすと……その2

村木氏の裁判での無罪が濃厚となって以後、
政府首脳、法務省幹部、検察幹部は極秘裏に会合を重ねていた……

「ほんと困んだよねぇ」法務省幹部は苦虫を噛み潰したような表情をした。
「千葉を丸め込んだと思ったらこれだよ。また可視化がどうとか騒ぎ始めるぞ」
「この一件は石井ピン狙いが露骨だったからなぁ」政府首脳は嫌味な笑みを浮かべた。
「おかげで奴さんすっかりびびっちまってこっちに寝返ったわ。感謝したほうがいいのかね」
「面目ないです」検察幹部は頭を下げた。
「で、どうやって収拾すんのよ、これ」法務省幹部は迫った。
「それなんですが、実は私に妙案がありまして……」検察幹部はボソボソとしゃべり始めた。

検察幹部の描いたシナリオはこうだった。
大阪特捜は救わない。むしろ焼き払う。しかし燃やすのは大阪特捜限定だ。
決して火を他の特捜や検察全体には広げない。
「しかしだな」法務省幹部は怪訝な顔をした。「そううまくいくものかね。一度火がついてしまえば手に負えなくなってしまうんじゃないか」
「思い出してみて下さい」検察幹部の表情は先ほどまでとは一転して自信に溢れていた。「我々には最後のカードがまだ残っているのですよ」
政府首脳の目が不気味に光った。「おや、お前もどうやら俺と同じことを考えていたようだな」そう言うと声をあげて笑いだした。

政府首脳は民主党代表選挙の党員・サポーター票の集計を事前に行い管再選を確信。14日の検察審査会の議決にゴーサインを出した。
そして21日、かねてからのリーク情報通りにA新聞がFD改竄を「スクープ」。
まずは「ガス抜き」のために検察批判をある程度(もちろん本質に踏み込まない範囲でだ)許す。
大阪特捜のナンバー1,2を逮捕。完全に焼き払ったところで最後のカードを切る。
小沢一郎強制起訴へ……


……というのはもちろん「陰謀論」に基ずくフィクションです。
僕がこういうことがあったと信じているわけでもないです。
繰り返しになるけどネタとしての陰謀論というのは嫌いではありません
(言って見れば矢追純一のUFO特番を笑いながら見るという意味で)。
同時に陰謀論がはびこることは危険でもあると思っています。

いついかなる時代であろうとも「陰謀論」を信じる人は
一定の割合でいることでしょう。
問題はこういった一部の層に限定されずに陰謀論が広まってしまうこと。
言葉を変えれば本来は「解毒剤」の役目を果たさなければならないはずの
システムが機能しないことこそが危険なのだと思っています。

何を言わんとしているかはすでにお気づきかと思いますが
例によってマス・メディアへの不満であります。

とにかく検察審査会の議決は滅茶苦茶なんだけれども
それを黙殺するメディアは輪をかけてひどい。
とにかくニコ動のここを参照。
とんでもない問題なのにまるで存在していないかのよう……

これ以外にもいくつもの疑問点がある。

検察審査会の審査員だが、まずこの人たちはどうやって選ばれているの?
第一段階は無作為抽出なのかもしれないが、その後おそらくは
絞込みが行われている。ではこれは誰がどの基準で行っているの?
さらに今回でいえば平均年齢の異様な若さだ。もちろん若いからダメということではないが
常識的に考えてあまりにバランスを欠いている。
それもクジでたまたま、ということではなく誘導しやすい人選が意図的に行われた
可能性が排除できない(あくまで可能性ですよ!)。

そして吉田補助弁護士の役割である。
上のニコ動での郷原氏の指摘が事実であるなら的確性がそもそも疑われる。
さらにこの記事を読むと結論ありきで進められたのでは、
という疑いも招きかねない。
っていうかこの人は誰がなぜ選んだのか、これも分からない。

さらに何と言ってもあまりに恣意的な日程である。
さすがに朝日のスクープを事前に掴んで前倒ししたとまでは言わないが(言ってるかw)
代表選の行われている当日にわざわざ議決を行うなどこれも常識的に考えれば有り得ないだろう。
一番の問題は誰がなぜどのように日程を組んでいるのかがまるで分からないということだ。

つまり検察審査会というものがあまりに分からないことだらけなのである。
日本は推定有罪社会である。起訴されればごく一部の例外を除けば
事実上社会から抹殺される。それをこのような完全にして不可解な密室で
決められることがいいのだろうか。
別に個々の氏名を明かせというのではなく、最低限議事録は公開しないと
まるで話しにならない。

最後に行き着くのがマス・メディア。
いくつもの疑問があるのだけれど例えばこの記事
っつうかどうやって取材したんですか、これ。
「関係者」の語ることが事実だというウラはちゃんと取ったのでしょうか。
朝日の5日の夕刊にも似たような記事があったんだけど同じ疑問がわく。
メディアについて言い出すとキリがないのでこのへんにしておく。

僕の達した結論としては「強制起訴」というシステムはあまりに
危険すぎる。とりわけ日本では。
現状では単なる「人民裁判」となってしまっている。

もちろん検察をチェックするシステムは必要だ。
過去に身内に「手心」を加えたケースなど山ほどある。
これは今の検察審査会を少し手直しすればなんとかなるのではないか。
二度の議決で「強制起訴」となるのではなく
二度目の議決で「独立検察官」のようなものを指名し、
その人物に事件を担当させればいい。
その「独立検察官」が起訴するか否かを判断する。
当然弁護士以外にやれる人間はいない。この過程であまりに
無茶をすれば法律家としての信用が下がるため常識的判断が働くのではないか。
これにも問題と危険性はあるが少なくとも
現状よりもリスクは低くなるだろう。

とにかく、今僕が目にしていることは
トクヴィルが言うところの「多数による専制」であろう。
これに抗おうとすれば「陰謀論」に流されていってしまうという罠……











プロフィール

佐藤太郎(仮)

Author:佐藤太郎(仮)
shopliftersunionあっとhotmail.co.jp

最新記事
月別アーカイブ
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
カテゴリ
twitter
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR