荷風の言葉

ある本をパラパラやっていたら永井荷風の『紅茶の後』からこんな引用があった。孫引きだけど。


日本を包む空気の中には立憲政治の今とても、封建時代の昔に少しも変わらざる一種名状すべからざる東洋的、専制的な何物かが含まれてゐて、いかに外観の形式を変更しても、風土と気候と、凡そすべての目に見えないものが、人間意志の自由、思想の解放には悪意を持ってゐるらしいように思はれてならぬ処がある。


ここってちょっとマルクスの「アジア的停滞」みたいなことを連想させなくもないのだが、荷風ってマルクスを読んでいたのだろうか。不勉強にも荷風は全然読んでいないものでよくわからないのだが。

「東洋的」などと言っていいものかはさておいて、「日本を包む空気」に「人間意志の自由、思想の解放には悪意を持ってゐるらしいように思はれてならぬ処がある」というのは今現在でも実感させられてしまうところがあるのは否定しがたいどころか、ますますその思いは強くならざるをえないのが今日このごろでありませう。


荷風の全体像がコンパクトに概観できるような本ってあまりないような気が。とりあえず『紅茶の後』は読んでみよっと。




ちなみにある本というのはこれであります。



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