カラス

某所を自転車で走っていたら二羽のカラスが飛んでいいるのが目に入ってきた。そのうち一羽がふらふらという感じでそのまま車道を低空飛行。おいおい、危ないよと思う間もなくちょうど目の前でドンという音がして……というのに朝っぱらから遭遇してしまい、うえぇと思っていたら、ちょうど現場を走り去ろうとしていた僕の姿をもう一羽のカラスが視界に捉えたのを感じた。すれ違う刹那、あのカラスの頭の中では『キル・ビル』ばりに『鬼刑事アイアンサイド』のテーマが鳴り響いているのが聞こえるかのようだった。





「俺のせいじゃないから!」と念じていたものの嫌な予感は的中、数秒後に後頭部にパシンという衝撃。ひえぇぇっとペダルを漕ぐ足に力を入れたがさらに数秒後にもう一度衝撃が。もうこっちはヒッチコックの『鳥』の中に入り込んでしまった気分で、全身をつつかれた僕の死体に鳥が群がっているイメージが湧いてくる。





しかしカラスのテリトリーを出たのか、これ以上追跡してはこなかった。
「カラスに蹴られた」という話はそれほどめずらしいものではないのだろうが、さすがに自分がやられるとかなりビビる。自転車だったからまだいいようなものの、これが歩きだったらさらに数回攻撃されたであろうし、そうなると完全にパニック状態に陥っていたかもしれない。カラスに攻撃されたことそのものよりも、攻撃されて動転して転倒等でケガをするケースもあるみたい。

実際に体験してみて初めてわかることというのがあるが、カラスの攻撃力というのもその一つだろう。攻撃力そのものはたいしたことはなく、頭に感じた衝撃も大判の雑誌を丸めてポンとはたかれたという程度のものだった。このたいしたことない攻撃力というのもカラスの知恵なのではないかとも思えなくもない。これが爪で皮膚を切り裂き、嘴で目玉をえぐるような事態が発生すれば(襲われてる最中はそんな光景が脳裏をよぎった)カラス大駆除作戦が行われるのは確実なのだから。

ダメージということではむしろカラスに襲われているのを人に見られたという精神的な面の方が大きい(周りにはそれなりに人がいた)。だって「自転車に乗ったおっさんがカラスに襲われてる」なんてとこを目撃したなら、間違いなくネタにしますでしょ(その後つい「某地名 + カラス」で検索してしまった)。

カラスに限らず動物が攻撃的になるのは繁殖期だというのはよく言われるが、調べてみたら今まさにカラスの繁殖期なのですね。あのふらふらと飛んでいたのはおそらくまだ十分に成長していない子ガラスで、僕を襲ってきたのは親だったのだろう。即死ではなかったみたいだけど、多分助からない感じに見えたし、そう考えると切ない気分にもなってきてしまうが、でも100パーセント僕は無関係なのだから勘弁してくださいよというのも正直なところでもある。

それにしても気がかりなのは、カラスは人の顔をよく憶えていて一度襲われた人は何度でも襲われるという話があること。これからしばらくはあそこを通るたびに覚悟しなくてはならないのでしょうか。あそこを迂回しようとしたらものすごい遠回りになっちゃうんだよなあ。完全に子どもの仇とされてしまっているのなら、誤解です!と伝えたいんだけど……。


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佐藤太郎(仮)

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