コステロとビートルズ

エルヴィス・コステロの『パンチ・ザ・クロック』の発売から20年か、なんてことを書いてしまったのですが、1983年の発売なのだから30年ですよね(直しときました)。しかも一箇所でなく延々と間違っているところが我ながらすさまじい。書いているときからなんだか違和感があった……のかというと全然そんなことがなかったことがさらに恐ろしい。

「1993年生まれ」と聞くと小学生くらいかと思ってしまうのだけれどもう二十歳。2000年に生まれた子がもう小学校を卒業しているというのはまるで実感が持てない。
ただまあこの間違いは歳を取るということに対する無意識の抵抗の表れという精神分析的解釈よりも、単なる老化と考えたほうがいいような気もするが。


ついでに『パンチ・ザ・クロック』のライナー・ノーツからもう一つネタ。

コステロはアメリカツアー中に、ジョン・レノンの残したテープの編集に取り掛かっていたオノ・ヨーコに招かれニューヨークのスタジオを訪れたことを回想している。「『ミルク・アンド・ハニー』は確かにラフで未完成なレノンのレコードだが、薄暗いスタジオで、最近になってようやくそのテープを聴くことができるようになった未亡人と一緒に聴くというのは感極まる経験だった」。

このエピソードを知ってか知らずか、ポール・マッカートニーはこの数年後にコステロを呼んで共作共演をし、完成した曲はポールの『フラワーズ・イン・ザ・ダート』、コステロの『スパイク』にそれぞれ収録されている。このコラボレーションは成功したという評価が多いだろう。ポップソングの卓越した作曲家であり、また作詞家としては辛辣な皮肉屋にもなれるコステロはジョンを彷彿とさせるところもある。

『フラワーズ・イン・ザ・ダート』の日本盤のライナーノーツを引っ張りだしたのでちょっと引用してみる。
「「ポール・マッカートニーの曲にケチをつけるなんて」と、たとえ曲が気に入らなくても「いい曲ですね」などと言われてしまうのがポールの悩みだったが、コステロは違った。ときには「これはゴミだ」と言い放ったこともあったという。「エリビスと僕は、笑いあったり、ときにはなぐりあったり、意見が食違ったりしたよ。僕がドラムでエコーをきかせたらどうかなって言うと、彼は『だめだめエコーなんて』。じゃ、コーラス(エフェクターの一種)はどうかなって言うと『コーラスもだめ』。じゃ『シンセサイザーは? 『シンセもだめ』。もう彼は自分のアルバム(『スパイク』)を作り終えてるんだけど、エコーもコーラスもシンセもキッチンのシンクもちゃんと使ってるんだよね。でも、すごく楽しかったよ。おたがい盗みあったしね」とポール。「対等な関係の、いい共作だった。お互いに歌詞や曲をぶつけあって、エルビスが少し不満気な表情を見せたところで僕は、うーん、それはいやだな、ここはもう少し発展させてそっちに持っていったらどうだろう、とか言うんだ。これはいいよ」ポールもこう語っている。「エルビスとやっているとジョン(・レノン)とやっていたころを思い出すよ。彼はちょっとジョンのスタイルを持っているんだ。ジョンの影響を受けているに違いないよ」。」

ポールの『フラワーズ・イン・ザ・ダート』の一曲目の「マイ・ブレイヴ・フェイス」はコステロとの共作。pvの演出とは違ってそれほどビートルズを思い起こさせる感じではない。これ見るとポールはやっぱり日本のこと嫌いでバカにしてるだろw と思ってしまうのだが、まあ89年という時代がそうさせたということにしときましょうか。




コステロの『スパイク』の一曲目もポールとの共作、「ディス・タウン」。



一番有名なのは『ヴェロニカ』なのかな。




強烈なサッチャーへの嫌悪が今年になってまた注目を集めた「トランプ・ザ・ダート・ダウン」もこのアルバムに収録されているが、これにはポールは関わっていない。
当時35歳だったのか。




「トランプ・ザ・ダート・ダウン」の出だしはI saw a newspaper picture from the political campaignなんだけど、ビートルズとの連想でいうとI read the news today oh boyで始まる「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のジョンのパートを思い浮かべられないこともないんだけど、これはさすがに意識したものではないと思うが。





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