スパゲティ問題再び


特に理由もなく最近「ゴッドファーザー」三部作を久しぶりに見返したのだが、相変わらず自分の記憶力のなさにはあきれ返ってしまう。
ということでこんなとこあったっけ? ということばかりであったのだが、どうでもいい部分でおっとなったのが「PART Ⅱ」のある場面。

1919年、後に「ゴッドファーザー」となるヴィトーは「商売」を始めたが、地元を仕切るファヌッチからみかじめ料を要求され、仕事仲間のクレメンザらと食事をしながらどう対処すべきか相談をする。その席上でクレメンザはスパゲティをフォークとスプーンを使って食べているのである。

DVDのコメンタリーでコッポラは時代考証には相当の自信を持っていることを繰り返しているのだが、このクレメンザの食事場面については特に言及はしていない。前にここに書いたように、1920年代を描いた『彼奴は顔役だ!』(1939年公開)でもある密造酒の売人(イタリア系ではない)がスパゲティをフォークとスプーンで食べていた。この時代のアメリカでは少なからぬ人がスパゲティをフォークとスプーンを使って食べていたのだろうか。


一般にスパゲティを食べるのにスプーンを使うのは子どものやることで、それが誤って伝わってしまったのだという説明がある。
ウィキペディアにはなんとクレメンザの項目が立てられているが(こちら)、これによるとシチリア生まれの移民1世であるという設定のようだ。何歳でアメリカにやって来たのかはわからないが子どもの頃の習慣が抜けていないということを示した場面であったのだろうか。

tripadvisorというサイトのhow do Italians eat Spaghetti? Spoon or no spoonという質問ページではイタリア人やイタリア旅行の経験のある人からは「イタリア人はスパゲティを食べるときにスプーンなんて使わないよ」という回答が多いのだが、その中に「スプーンを使うのってシチリア島の習慣なんじゃないの、シチリアでスプーンを出されたので断ったら変人扱いされちゃった」というのがあった。
ただこれもシチリアではスプーンを使う習慣なのかというとそうとも決め付けることもできず、この話題について他の場所ではこれはシチリアを「野蛮」に見せようとする差別だという書き込みなんかもあったりしてよくわからない。

1982年のニューヨーク・タイムズのTHE SPOON QUESTION, OR HOW TO EAT PASTA LIKE AN EXPERTなんて記事も発見(やはりアメリカ人も延々とこの問題に頭を悩ませている!)。Egi Maccioniという有名イタリア料理店のオーナー(出身地は不明)は子どもの頃に祖父からスプーンなしでパスタを食べるように練習させられ、できないと食事をさせてもらえないという罰まであたえられたということだ。やはりスプーンを使うのは子どものやることだったのか、と思ったらLuigi Nanniという人によると例外もあって、ソースが液状の時は飛び散らないようにスプーンを使ってもいいとのこと。


結局子どものやることなのか地域の習慣なのかソースの種類によりけりなのかは今ひとつはっきりしない。もっともイタリア旅行はおろかマナーを気にするような店に行く予定もない人間にはどうでもいいことなんですがね。

まあ「ゴッドファーザー」でクレメンザとスパゲティといえば、なんといっても一作目で披露したこのレシピが有名だろう。こういうのを書き起こすのってどこの国でもやるのね。





プロフィール

佐藤太郎(仮)

Author:佐藤太郎(仮)
shopliftersunionあっとhotmail.co.jp

最新記事
月別アーカイブ
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
カテゴリ
twitter
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR