映画のカンソー

DVDでいくつか見た感想。
今更ってものばかりかもしれませんが。

まずは『第9地区』




ニール・ブロムカンプ監督。

いやぁ、素晴らしかったですね。
ヨハネスブルクに宇宙船が飛来し、エイリアンは隔離生活を強いられ……
というプロットから当然南アのアパルトヘイトを連想せざるをえない。
地球人から見ればこの異星人は不可解で不合理で醜く不潔で……
と、これはしばし人種差別主義者が見下す相手へ抱くイメージですね。
しかし本作は差別反対を声高に訴える政治的に正しいお話とは少し違います。
黒人のギャング団が出てくるのですが、
彼らは狡猾で恐ろしく、民間信仰にはまっています。
ここでは黒人(アルジェリア人)がステレオタイプに描かれます。
つまり差別に反対するというだけでなく、
私たちは差別的視線というものから逃れられないという残酷な視点でもあります。

DVDのコメンタリーでもありましたが、
ポリティカリー・コレクトな映画を撮ろうとしたのではなく、
あくまでエンタメに徹していて、そこからこういう視線が浮かび上がるというのが
本作の力強さになっているのでしょう。

ヴィカスという主人公も非常に良かった。
彼はいかにも「小市民」という感じであり、
別に王家の子孫でもなければ眠れるスーパー・パワーに目覚めるのでもありません。
そんな彼がある行動を取るからこそ、素晴らしさというものが一入となります。
これは逆に低予算でなければこういう人物は造形できなかったのかもしえないですね。



続いて『月に囚われた男』




監督はダンカン・ジョーンズ。デヴィッド・ボウイの息子ですね。
しかし有名人の息子であるというのはいいことなのかどうか。
しかもそれがボウイとなると。

はっきりと、というかあからさまに『2001年宇宙の旅』の影響下にあります。
あとタルコフスキーの『惑星ソラリス』からも。
どちらも好きな作品であり、こちらも途中まではいい感じでした。
内省的なSFへ行くのかと思いきや中盤からはちょっと普通になってしまったかなぁ。

カーディ(本作のロボット)も悪くないけど
やっぱりハルだよな。

カーディ!



ここ最高。
Stop Dave, I'm Afraid






美しすぎる無重力シーン。






あと予算の都合もあったのだろうけど月独特の映像表現というのが欲しかったかな。
ぴょんぴょん飛びながら歩く感じって好きなんだな。





『脳内ニューヨーク』




『マルコヴィッチの穴』や『エターナル・サンシャイン』の
脚本を手がけたチャーリー・カウフマンの初監督作品。

悪くはないんだけど、う~む、ちょっと期待しすぎたかな。
124分なんだけど90分くらいにまとめていればもっと良くなった気が。

オープニングの陰鬱で不穏な空気から
現実と幻想とが入り組んでいく展開というのは非常に好きなんですけどね。

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佐藤太郎(仮)

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