野球人気その1

ドラフト直前で日本シリーズの地上波テレビ中継がないとか
横浜球団売却が破談とか、そんなことありーのなのでちと野球について。

「野球人気の低下」と言われるといささか違和感を覚える人もいるだろう。
僕が子どもの頃(80年代末)あたりは
川崎球場だの西宮球場だのというのが伝説的な不入りを記録していた。

今ではパリーグの試合が平日でも2万人以上観客が入るとか
パ対セでパの方が観客が多い日があるとかいってもまるで驚かない。

つまり「野球人気」が下がったのではなく、巨人人気、及びそれに依存していた
セリーグ各球団(とりわけヤクルト、横浜の2球団)の人気が落ちたということで、
野球全般の人気が落ちたわけではない。
(ちなみに僕はヤクルトファンなのですが)

一方でテレビの視聴率は落ち込みに歯止めがかからないという事実もある。
この理由について考えてみたい。

1.視聴者の気質の変化

「うちは田舎だから巨人戦しかやっていないもの、自然と巨人ファンになっちゃうよ」
(ちなみに東京でも事情はたいして変わらないと思うのだが)
というような発言をよく見る(た、と過去形にするべきだろうか)。
しかしこれ、なんだかヘンだ。
この人たちは巨人の紅白戦を見ていたのだろうか。
もちろんそうではない。
対戦相手のことが目にはいらなかっただけではないか。

地域によって地方局がいくつあるかにもよるだろうが、
少なからぬ地域で最盛期には「巨人戦」が100試合前後は放送されていただろう。
ということはセリーグのその他の球団も
各20試合前後は見れたということになる。
それだけ見られればファンになるきっかけなどいくらでもありそうなものだ。

こう考えてみればいい。
サッカー日本代表の試合で相手チームのことを本気で考えている
視聴者がどれだけいることだろうか。
言葉を変えよう。
巨人とは、かつては擬似日本代表だったのである
巨人ファンになって巨人を応援するということは、
日本代表を応援するのと同じような感覚であったのではないだろうか。
それは理屈だの論理だのという以前の感情の問題だったのである。
もちろんこの状況は自然に生まれたのではなく読売グループによる
すり込みだったのだが。

ところが事情は90年代に入ったあたりから変わってしまった。
これまでは「日本代表」とはオリンピックくらいしか
存在しないも同然に扱ってきたメディアが単体スポーツでも
「代表ナショナリズム」をくすぐる作戦に出てきた。

例えば水泳の世界選手権のように
かつてであれば視聴率をとるなどとは考えられなかったようなイベントが
高視聴率をとったりする。

日本人は、オリンピック報道を見ればわかるようにスポーツナショナリズムが大好きだ。
それまで聞いた事もないような選手でも金メダルをとれば
歓喜の涙を流して「日本人の誇り」となる。
水泳だろうが柔道だろうが本物の「日本代表」が世界で戦っているのに
擬似日本代表に満足できるだろうか。

このことのわかりやすい例がサッカーである。
代表選でいくら高視聴率を記録しても国内のJリーグは
地上波のゴールデンタイムでは放送すらされない。
もっとグロテスクな例がバレーボールである。
国内のリーグ戦などほとんど見向きもされないのに
正体不明の怪しげな「国際大会」でも
(なぜ毎年のように何かしら日本で開かれるのか)
代表選となればとたんに高視聴率である。

ちなみに今年クソTBS(一野球ファンとしてあえてこう言う)は
日本シリーズよりバレーボールを優先させた。

視聴率が悪いのは野球人気の低下なのではない
(そうであるならWBCの視聴率をどう説明する?)。
国内スポーツ全般が視聴率低下しているのである。

これが視聴者に自然な選択なのかテレビ局、並びに広告代理店の
自滅なのかはまた別に考えたい。



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佐藤太郎(仮)

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