『ルーパー』

『ルーパー』

あまり芳しからぬ評判なんかもあったものでようやく見た有様なのだけれど、後半はかなり好きだった。もっとも前半はまずまずだったけど後半はダメという人も結構いるみたいだし、万人受けするものではないのだろう。作品の肌触りとしては、全体として足腰が定まっていないような感じもするのだけれど、おそらくはこれも脚本・監督のライアン・ジョンソンの狙いなのだろうと思うのだが、そのあたりも好みは分かれそう。

以下ネタバレ気味のところもありますので未見の方はご注意を。



タイムパラドックスSF作品かと思ったらスティーブン・キング風だった、といったところかな。ハードSFを期待した人からすると、「あぁ、そっちに行っちゃうのね」といった失望があったのではないだろうか。一方で後半のキング風というか大友克洋風というかの描写が気に入った僕にとっては前半から中盤はいろいろとまどろっこしいうえにややスベっていると感じてしまうところも多かった。

「レトロ」な未来感覚やオフビート感とでもいったような雰囲気は失敗すると目もあてられないのだけれど、前半はちょっとそういう臭いがしてしまっていた。そういったダルさを全部吹き払ってくれたのがシド坊やだ。アメリカ映画ってこういう可愛げがないわけじゃないけど一目見て不吉さも伝わってくるような子役を見つけてくるのってうまい。

シド坊やの「ライアー!」と叫ぶ不気味さや脱出用トンネルから出て「サラ」と呼びかけながら駆け寄るところ、畑の中で血で顔を真っ赤にして座り込んでいるところだけでも個人的には満足だった。

シド坊やのパートを見るとライアン・ジョンソンにはいっそのこと徹底的にキング風の作品を作ってもらいたいというような気になるのだけれど、そういうのはやりそうにない感じの人ですよね。



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佐藤太郎(仮)

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