バーンバウム


大分前にあげられているものなので今さら話題にするのもあれだが、村上春樹についてのBBCのドキュメンタリーをなんとなく見ていたら、村上の初期の英訳者であるアルフレッド・バーンバウムが出ているじゃありませんか(23分30秒くらいから)。




バーンバウムの動いてる姿を見たのは初めてかもしれない。昔から写真ではモリッシーにちょっと似てるよなあと思っていたのだが、動画で見てもやっぱり少し似てる。瓜二つとまではいかないけど同じ系統の顔立ちですよね。

『翻訳夜話』に収録されている96年に行われたワークショップで、村上春樹はバーンバウムについて触れている。
「僕のを英語に訳している人は三人いるんだけど、おもだった人は二人で、一人はアルフレッド・バーンバウムというアメリカ人、もう一人はジェイ・ルービンという人で、バーンバウムは一種のボヘミアンなんです。特に定職もなく、大学に属しているわけでもなくて、タイに行ったりミャンマーに行ったりフラフラして暮らしている。彼はある場合には自分の好きなように訳すんです。正確かどうかよりは、出来上がりのかたちを重視する。だからわりに自由にやって、部分的に適当に削ったりもする、勝手に(笑)。もちろんほとんどのところでは忠実に訳しているけど。場合によっては、ということです」(pp.17-18)。

他にも「バーンバウムの訳はここがスポッと抜けているけど、いいんですか村上さん」と言われたりすることについて、「でもまあ結果として、おもしろければそれえいいんじゃないかと思うんですよ」(p.19)とする一方で、「僕は翻訳者としては逐語訳です。ルービンさんのほうに近い。で、バーンバウムの訳はおもしろいと思うけど、僕だったらああいうふうにはやらないと思います」(p.20)ともしている。

ウィキペディアには出典が示されずに「原著者よりもバーンバウム色が前面に出てしまっているという見解も見られるが、味のある作風に対してのファンも多数存在する」と書かれているが、これと同じようなことって青山南さんの本にあったような。確か春樹の英訳からバーンバウムが外れるようになって、英語で春樹作品を読んでいた一部のファンから「春樹の作品はやっぱりバーンバウム訳でないと!」みたいな声もある、みたいな感じだったっけか。手元にあるのを何冊か見てみたけれど発見できず。う~ん、こういうのはほんとにイライラする。


ドキュメンタリーのほうだけど、ちょっとなあというところもある構成だったのだが、一番ひっかかったのは最後。コルトレーンの「マイ・フェイバリット・シングス」がかかるのだけれど、春樹はコルトレーンをあんまり好きじゃなかったですよね。「春樹=ジャズ好き、ジャズで有名な曲」みたいな連想だったのだろうけど。
あと和敬塾の寮生のインタビューがあったけど、高校時代に『ノルウェイの森』を読んであそこに入りたいってなるのかね。あんなとこ絶対嫌だって思ったものだけどなあ。



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