フランクからジョーダンへ

ウルフ・オブ・ウォールストリート』を見て久しぶりに見返してみたくなったもので『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』を。




ディカプリオ主演という以外にもこの両作は共通点が多い。共に実在の詐欺師の回想を原作にしており(ついでにいうと「回想」である原作の信憑性は共に眉唾ものでもあり)、原作者がカメオ出演してもいる。また『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は主人公フランクが「本物は誰でしょう」クイズに自ら出題者として出演する場面から始まるが、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のエンディングを思わせるところでもある。このあたりは意識していたのだろうか。

しかし改めて見てみるとその差異というのもかなり目立つのだが、このあたりはスピルバーグとスコセッシの差異という部分もかなりあるだろう。
『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』では、フランクは別れた父と母のよりをなんとか戻そうとすることが動機の一つとなっており、またフランク自身も理想の家族というものを夢みてしまう。そしてフランクを追うFBIのハンラティは次第にフランクに父親的感情を抱くようになっていき、擬似家族を形成していくかのようだ。こういった「家族の物語」に転化させていくところはなんともスピルバーグらしい。
従って「レオ様!」といった観客も十分に感情移入できるものになっている。一方の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は観客の感情移入を拒むかのように、ジョーダンのゲスさ全開の三時間になっている。

『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の撮影時ディカプリオはもう二十代後半なのだが、15歳時を演じていてもあまり違和感がないさすがの童顔っぷり。これはディカプリオにとっては悩みの種であっただろうし、このイメージから脱却しようと様々な挑戦を重ねていくことになる。

そして『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を見た後で『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』を見返すと、スピルバーグには申し訳ないが、この作品はジョーダン役にたどり着くための予行演習のように思えてもくる。それがディカプリオにとって(あるいは昔のファンにとって)いいことだったのかどうかはわからないが、個人的にはこの歩みに好感を持ってしまう。



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佐藤太郎(仮)

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