ヘーゲル自筆書き込み本

東京古書会館で開かれている洋書まつりにて先日発見されたヘーゲルによる自筆書き込み本が公開されているということで見てまいりました(洋書まつりのブログはこちら)。ケース越しに写真撮影も可となっていますが素人がまともに撮れるはずもなく、こちらの記事に写真がありますのでどうぞ。明日(8日)まで展示されています。

この本は1801年に出版された『フィヒテとシェリングの哲学哲学体系の差異』(当時ヘーゲル31歳)に、1802年の新聞に掲載された書評の抜粋をヘーゲル自身が書きつけていたもの。
今泉六郎は1890年から93年にかけてのドイツ留学中にこの本を購入したのだろう(今泉29歳から32歳にかけてなので、ちょうどヘーゲルがこの通称『差異論文』を刊行した年齢のころになる)。その後図書館に寄贈されたが廃棄本として処理され古書市場に出回っていた模様。
それにしても、はたして今泉はこの書き込みがヘーゲル自身によるものだと想像したことがあるのだろうか。今泉は当時ですでに約90年前の本を購入していたわけで、2014年現在でいうと1924年前後に出版されていた本を購入したようなもの。現地の人もヘーゲルの直筆だということには当然気づいていなかったのだろうし、この本そのものがどれだけ希少性があったのかはわからないが、そういった意味でのプレミアはついていなかっただろうし。そこに書評の抜粋が書き込まれていたからといって、まさかそれが当人によるものだとは思わないよなあ。


なお洋書まつりのほうではロールズのPolitical Liberalismが安くであったので購入(まあ本棚の肥やしとなることは決定的でありますが……)。ヘーゲルは結構新訳も出ているが、ロールズのこれは邦訳がないというのはどういうことなのよ、と思うのですよね。まあ翻訳が出ないのかと思って原書を買ったり読んだりした直後に邦訳の出版を知るというのはよくあるパターンなので、フラグを立てたと思いませうか。


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