『ビブリア古書堂の事件手帖』

三上延著 『ビブリア古書堂の事件手帖』




とりあえず4巻まで読んだのだけれど、なぜ今になって、しかも4巻までなのかというと、古本屋を舞台にした作品ということでお察し下さい。

僕は今までラノベというのを読んだことがなかったのだが(この作品ってラノベでいいんですよね、それすらもよくわかっていない)、ラノベについて「絵のない漫画」なんて言い方をする人がいるが、確かに読後感は小説のそれよりも漫画に近かったかもしれない。といってもこれは必ずしもけなしているわけではなく、そもそもミステリー、それもシリーズもののミステリーの魅力の少なからぬ部分が「漫画的」なところにあるのかもしれない(市役所勤務の鈴木博さんが常識的発想と勤勉さを武器に謎を解く……というのはそれはそれで面白いのかもしれないが、やはりシリーズとなると物足りなく思えてくるだろう)。とりわけ1巻はアームチェア・ディテクティブとなっており、まさに「漫画的」世界こそがうってつけだろう。

基本的に一話完結なのだが(しかし過去作への言及や、つながりを前提にしているところも多いので刊行順に読んでいくべきものとなっている)、またある人物との因縁がシリーズ全体の縦軸となっていく。このあたりはやや気になるところで、こういう設定ってホームズのモリアーティにしろ矢吹駆のニコライ・イリイチにしろ、個々の作品とうまく有機的つながりを持つことは難しいようなイメージがあるし、このシリーズでもうまくいくのかは微妙に思える。シリーズを牽引するためにこういう設定が欲しいというのもわかるのだが。

また栞子は、誰もがはっとするほどの眼鏡美人であるが普段はコミュニケーションを取るのも難しいほど人付き合いが苦手、しかし本の事となると見境ないほど饒舌になり、おまけに巨乳というのは、いささかある種の人たちの性的な妄想を詰め込みすぎという感じがしてしまう。おまけに高校の制服姿で店番にも立っちゃう妹は姉とはタイプの違う美人で、性格も対照的に活発というのはやはりやりすぎのような。まあ「漫画的」な記号といえばそうかもしれないし、僕自身もその手の性的妄想と完全に無縁かといわれればそうとは言い切れないところもあるので、読むのが苦痛になるというほどではなかったが、こういうのが苦手な人もいることだろう。

それから『 ビブリア古書堂の事件手帖』はドラマ化されていて、剛力彩芽が主演ということでかなり叩かれたことがあった。某所でちらっと見てみたのだが、確かにミスキャストという感は否めない。この件にかぎらず、剛力当人の問題というよりも当人のキャラや資質を無視して仕事をねじ込むマネージメントの方の問題であることは明らかで、僕なんかは腹が立つというよりはむしろ同情してしまうのであるが、『 ビブリア古書堂』シリーズの熱心なファンからすれば勘弁してくれというのもわからなくはないが。

栞子は仲間由紀恵とか堀北真希とかあの系等の女優向けだろうし、『あまちゃん』コンビの能年玲奈と橋本愛を姉妹役にしてもいいかもしれない。この二人なら双方の役を入れ替えても成立しそうにも思えてしまう。本好きなイメージといえば杏あたりでもそれほど違和感ないだろうし……と、こう考えるとやはりなぜにあのキャストで、となってしまうが。


ラノベの主な読者層は実は若くはないなんて話もあるが、それでも中高生も読んでいることだろうし、こんな本も編まれているように、これをきっかけに関連作品にあたってくれる人もいることは歓迎すべきことだろう。




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Author:佐藤太郎(仮)
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