方向性の問題!

見てもいないものを、ましてや見る気が始めからないものを批判するなかれ、
というのは全くもって正論であるけれども、清くも正しくもなく、
たいして映画ファンというわけでもない僕はそういうことをしてしまいます。

『SPACE BATTLESHIP ヤマト』の宣伝を見るたびに
誰か止めてやる奴いなかったのかよ、と半笑いで呟いてしまう。

そもそも元の『ヤマト』は明らかに「鬼畜米英型ナショナリズム」を
内包していたのだがなぜにもって「スペースバトルシップ」なぞと。
この山崎貴監督の作品というのは無意味に横文字にしたがる傾向があるが
(『ALWAYS』『バラッド』)監督の意向というわけじゃないんだろうけど。
ウィキペディア情報によるとw「海外進出を意識」らしいが
英語タイトルは別につければいいだけのことなわけで。

だいたいリメイク権を売るとかじゃなくSF娯楽大作を
そのまんま海外に持っていこうとするなら
英語で、ついでに主要キャストは白人にしなきゃどうしよもないなんてこと
ちょっと考えればわかってよさそうなものなのに。

近年のSF作品で出色だったのが『第九地区』だが、
この作品は「低予算」とされているがそれでも制作費は3千万ドル。
『ヤマト』は20億だとか。つまりSF作品としては超低予算。
そりゃ市場が日本限定ですからね。

日本でSF作るんならタルコフスキーみたく芸術的にいくか
『第九地区』みたいにアイデア重視でいくか
バーホーベンの『スターシップ・トゥルーパーズ』みたく
風刺やパロディにもっていくしかないと思うんだけど。
いや、もしかしたらそうなってるのかも。映像はコントチックだったし、なんてね。

なんでこんなことを書いてるかというと最近黒澤明の作品を見返している。
(『七人の侍』を見終えたと思ったらウチダ先生とシンクロしとった。)
現代劇の脚本は時代的にいささかしんどいとこがあるのも事実だけど
時代劇なぞもう見事の一言。
『用心棒』の「親父、あばよ」なんてほんと鳥肌モノですよ。

これだけ素晴らしい娯楽大作が日本にあったのですよ。
なぜ誰がどう考えても失敗しか有り得ないような企画なんぞをどうしてまた。

なんてことを思ってたら、そういやここ数年やたらと
黒澤作品のリメイクが連発されているんだよね。出来はどれも……
邦画全体、とりわけ大作にかかわるような人の基礎体力が
どうにもならなくなってしまっているんだろうけど。

『用心棒』とか『椿三十郎』も三船敏郎がいてこそと言えばそうなんだが。
それにしたって織田裕二って……

まぁ一番の問題はこういう作品が作られることじゃなくて
こういう作品をマス・メディアでちゃんと批判できないことなんだよね。
邦画の堕落の最大の原因はココにあると思う。
あれだけ駄作続きで興行的にもコケまくってる堤幸彦が
作品を撮り続けられるなんてフツウ有り得ないでしょ。

堤幸彦×キムタクなんてある意味じゃ見ものになるかもしれんが。
いっそそうしてくれていれば……

それにしても最近の日本人の多くって
まともな映画見たことあるのかって気分になってしまうのですよね。

東京都もクソみたいな条例作ろうとしたり
アホな読書キャンペーンしたりするんなら中学生あたりに
黒澤作品の上映会をやったほうがどれだけいいことか。
そんなことしたらテレビ局だけじゃなくて慎太郎の営業妨害にもなるのか。



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佐藤太郎(仮)

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