自称財政再建派への不信

お読みいただければすぐ分かると思いますが
僕は経済学のイロハも理解していない人間でありますが。

民主党の代表選挙が行われているが、そこでよく聞く論評がある。
「小沢はバラマキでダメだ。管は財政再建に取り組むので期待したい」等々。

小沢氏がバラマキなのか否か、そもそもバラマキとは何なのかという問題はさておいて、
管氏の政策や自称(とあえて書くが、その理由は後述)財政再建派というものに
対する違和感というものは僕の中で日に日に大きくなっていっている。

まず第一に財政均衡ってそんなに大事なの?という疑問がある。
もちろんデフォルトに陥るのがマズいということくらいはそりゃぁ分かるものの、
それ以外に、では財政赤字が具体的にどうマイナスなのかは
ほとんどの人が理解していないのではないだろうか。
しばし使われる家計とのアナロジーはあまりに安易であるように思える。

日本の財政状況が実際にどうなのかは人によって評価がかなり分かれている。
しかしさすがに「あと数年でギリシャになる」などというのは
財務省の悪質なデマでしかないだろう。
仮にそんな国ならなぜ円高になり海外の投資家は日本国債を買うのだろうか。
経済を一生懸命勉強したらしい首相にはぜひとも答えてもらいたいものである。


いわゆる「財政タカ派」には二つの傾向がある。
一つは原因と結果との因果関係を取り違えること。
もう一つは単なるイデオロギーである。

アメリカを例にとると分かりやすい。
クリントン政権下でアメリカは財政均衡を達成した。

ここで問題となるのは財政均衡を重視した政策をとったから
アメリカ経済は発展したのか、あるいは経済が発展したために
財政均衡を達成できたのか、ということだ。
おそらくは後者なのではないだろうか。
クリントン政権は実質的に共和党とほとんど変わらない経済政策をとった。
ならば共和党政権下でこそ財政均衡は達成されねばならないはずだ。
実際は共和党政権はしばし財政赤字を垂れ流している。
これが原因と結果のとり違いである。

イデオロギーについてはどうか。
現在「オバマが財政赤字を垂れ流している」と非難する人のうちどれだけが
ブッシュ・ジュニア政権を批判してきただろうか。
現在のアメリカの財政赤字はサブプライム問題以前にブッシュ政権下での無理な減税と
アフガン・イラク両戦争巨額支出に端を発している。
「財政タカ派」はほとんどが共和党支持者が多く、なんとも分かりやすい構図となっている。


現在経済政策には大雑把に二つの潮流がある。
一つは「ケインズ主義」的な政策でありもう一つは
「マネタリズム」的政策である。

ざっくりいうと「ケインズ主義」とは不況に陥った時には
政府が財政出動をして需要を作り出し経済を下支えする。
「マネタリズム」は政府は市場に対してなるべく余計なことはせずに、
適切な金融政策をとればいい、という姿勢である(と思う)。

とは言っても今現在素朴なケインズ主義者やマネタリストというのは
ほとんど存在しないであろう。軸足をどちらに置くかに差はあっても
両者を組み合わせた政策をとることにある程度のコンセンサスはできていよう。
日本に対して「インフレターゲット」の提唱を始めたクルーグマンは
金融政策でマイルドなインフレ、さらに積極的な財政出動の論陣を張っている。
ついでに「財政タカ派」への厳しい批判でも知られている。

ここまでですでにお分かりの方もいると思うが
僕は財政均衡を達成するのに重要なのは景気の回復であり、
そのためにある程度の財政出動と積極的な金融政策をとるべし、という
考えに賛同する。

逆にいえば自称財政再建派への不信もここに由来する。
財政を再建させたければ(あるいは財務省の大好きな消費税増税を行いたければ)
景気の回復をこそ最優先にしなければならないはずだ。

不況下で緊縮財政や増税に踏み出せばどうなるのか、
日本はその痛い教訓を学んでいるはずである。
97年に橋本政権は消費税を増税し緊縮財政をひいた。
『検証経済失政』にあるようにいくつかの要素がからみあったものではあったが
結果としては不況は深刻化し、後継の小渕政権下で積極的な財政政策がとられ
財政赤字は爆発的にふくらんだ。

自称財政再建派はこのことについてどう考えているのだろうか。
奇怪なほどの健忘症にかかってしまったとしか思えない。

現在内閣を仕切っていると見られる仙石官房長官は
景気回復をまったく考えないどころか、かなり悪質な「清算主義者」でもある。
そこに消費税をあげることしか頭にない財務省が加わり、現在の管政権は
かなり危険な政策をとる可能性が高い。

ところが日本の新聞・テレビの、とりわけ政治部まわりの記者は
経済政策に全く興味がなく、ほぼ財務省を始めとする官僚の言いなりとなっている。
新聞記者に経済政策の話をさせると、ほぼ例外なく消費税増税は当然、あるいは
やむをえないということになってしまう。

ということで、別に小沢氏を支持するのではないが、
管政権、及び現在の党執行部にはとにかく退場してもらいたい、
これが自称財政再建派への不信の答えである。








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佐藤太郎(仮)

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