ドラマ『ファーゴ』シーズン1

ドラマ『ファーゴ』シーズン1



ようやくシーズン1を。このドラマを見た人ならたいていは映画『ファーゴ』を見ていることと思うが、リメイクや直接の続編ではなく、設定等を引き継いでいる所もあるが、ごく一部を除けば基本的には映画が未見でも意味がわからないということはないだろう。

とはいうもののどうしても映画との比較をしてみたくなってしまう。ドラマの評価は高いし、決してつまらないとは思わないものの、個人的には圧倒的に映画の方に魅力を感じてしまう。

映画『ファーゴ』のゲア、あるいはその後継キャラクターとみえる『ノーカントリー』のシガーは、まさに「怪物」という存在である。一方ドラマ版『ファーゴ』のマルヴォは、意図的に「悪魔」として設定されている。ストレンジャーが共同体に入り込み、人々の心の弱さにつけ込んで悪の道へと引きずり込んでいくこととなる。

ゲアやシガーは人間でありながら常人の理解をまるで寄せ付けないようなところに恐ろしさがあるのだが、マルヴォの場合は最早「人間」ではないので、その点では恐ろしさが半減してしまっているし、「実話」という一応の設定からもズレが生じてしまってはいないだろうか。

無表情なゲアやシガーに対してマルヴォは表情豊かであり、それを生かして様々な風体で人に取り入り入り込むことになるし、これもまた「悪魔」であることの証左であるが、どこか滑稽さも漂わせるため、禍々しさが薄れてしまっている。

マルヴォ役のビリー・ボブ・ソーントンはピーター・ストーメアやハビエル・バルデムと比べると線が細く、それを生かしているといえばそうなのだが(ストーメアやバルデムではマルヴォ役は務まらないだろう)、それが魅力的かといえば、個人的にはそうは思えなかった。これこそまさに好みの問題といえばそうなのだが、どうにもここでのソーントンにカリスマ性というものが感じられなかったため、悪役としては物足りなさが残った。コーエン兄弟がドラマ版に実際にとの程度関わっているのかはわからないが、マルヴォの造型はあまりコーエン兄弟っぽくはなかったかなあと思えてしまった。


あと、マーティン・フリーマンは後半で白髪を染めるのだが、急に『銀河ヒッチハイク・ガイド』の頃のイメージに戻ったように感じられてきて、やっぱり髪の色で人の印象というのは結構変わるのですよね(というか、印象を変えるために染めさせたので当たり前だといわれればそうだが)。最近白髪が増えてきたのだが、どうしたものか……

それから『ベター・コール・ソウル』(2015)を見た後にこちらを見たのだが、14年に作られたこちらろキャストが二人かぶっていた。まあ偶然なのだろうが、一人が別のドラマにも出ているだけなら別にどうとも思わないが、二人となるとなんか気になってしまったりもする。



プロフィール

佐藤太郎(仮)

Author:佐藤太郎(仮)
shopliftersunionあっとhotmail.co.jp

最新記事
月別アーカイブ
カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
カテゴリ
twitter
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR