DVDのかんそー

見てない映画が多過ぎてなかなか消化しきれないのですが最近見たDVDの感想をいくつか。

『バッド・ルーテナント』




非常に良かった。
ニコラス・ケイジ演じるマクドノーは、善が堕落していくのでもなく、まごうことなき悪を突き進むのでもない。人間とは結局はこんなもの……ではないのだけれど。ただ一面の真理はついている。

ハリケーン・カトリーナ後のニュー・オーリンズを舞台にしているところが効果を高めている。差別と貧困の街であり、ブルーズやジャズの聖地でもある。天災であるハリケーンの被害は人の手によって最大化されてしまった。これはマクドノーを象徴するようでもある。

なんといってもニコラス・ケイジがはまり役。腰を痛め鎮痛剤中毒になり「処方箋を出してもらった薬しかやらない」とかいいながらコカインやらヘロインをキメまくる。どうしよもない人間だが職務には忠実(?じゃないんだけど)。
最後の坂道を転がっていくんだか昇っているんだかわかんないような展開は全部ラリって見た幻覚なのかも、なんて気にもなってくる。



92年の作品のリメイクだけどこちらのほうは未見なので比較はできず。



『ブルーノ』




サシャ・バロン・コーエンがオーストリア人のゲイのファッションリポーター「ブルーノ」に扮し、ファッション業界の裏側やチャリティーの欺瞞、偏狭な反同性愛を暴き立てる……というのを期待して見たとすると激怒!となるかも。そういう部分もないことはないんだけど。

前作『ボラット』は不謹慎極まりないところもあった一方で「アメリカ社会の病理をえぐりだした」と言えなくもなかった。本作ではその不謹慎なところをさらに誇張したものとなっている。
もしかすると『ボラット』が好意的に受け止められすぎたと感じて、そんなお上品な連中が弁護もできないような下品極まるものを撮ってやろうということだったのかもしれない。
幼稚園くらいの子どもというのは排泄物や男性器が大好きである。これは一つにはこういうものの話をすると大人が眉をひそめるからだろう。ブルーノは5歳児が(悪い)心を持ったまま大人になるとどうなるのかを追求したものかもしれない。

まあよく殺されなかったものだと思う。イスラエルやレバノンでのあれなんてほんとシャレになってないわいってものだし、ゲイ嫌いの南部でのあんなことやこんなことなど。これで殺されれば本望なのだろうか。
正直笑っていいものか、という理性との戦いでもあるのだが(というかドン引きなとこ多すぎ)。
ヒトラーが出演できないとなるとじゃあ反ユダヤのメル・ギブソンは、となるとこなんかは大いに笑ってしまえるのだが。
それでもまあコーエンのこの(おそらくは間違った)ど根性には敬意を表して……いいのだろうか。
くれぐれも一緒に見る人をきちんと選ぶように!

しっかしエルトン・ジョンはよく出たな。人間イスにまで座ってw



『レクイエム・フォー・ドリーム』




間もなく『ブラック・スワン』が公開される『レスラー』のアロノフスキーの作品をいまごろになって。
テレビ中毒の母親とドラッグ中毒の息子、人生の敗残者ともいえる両者がドラッグによって文字通りの地獄へと堕ちていく。
後半のどこまでも救いのない展開は圧巻で、これ見ればハード・ドラッグをキメたいなんて気分はまず持てないだろう。
個人的にはいろいろ技巧をこらした映像が少しクドかったかなあ、と感じてしまった。ここぞというところでどかーんとやってほしかったのだがちょっとしつこかったかな。もちろんあえて繰り返しているわけであくまで好みの問題でしょうが。

あとアロノフスキーについては今敏監督の作品も見なきゃ駄目なんだろうけど未見でありまして。
それについての町山さんのブログはこちら



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佐藤太郎(仮)

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